Archive for the ‘税制改正’ Category

相続した空き家にかかる譲渡所得の3,000万円控除の特例および通達改正

2016-08-21

平成28年度の税制改正により、今年4月1日より、一定の要件を満たす空き家の譲渡により生じた譲渡所得につき、3,000万円の控除が認められている。従来より、譲渡所得にかかる3000万円控除の特例はございましたが、当該制度は自己が居住する等の不動産を売却することを前提とした制度でしたが、今回の平成28年度税制改正においては、相続した空き家を譲渡した場合でも対象となります。

 

特例の対象となる家屋は次の要件を満たすことが必要である。

 

①    相続の開始の直前において被相続人の居住の用に供されていたものであること

②    相続の開始の直前において当該被相続人以外に居住をしていた者がいなかったものであること

③    昭和56年5月31日以前に建築された家屋(区分所有建築物を除く。)であること

④    相続の時から譲渡の時まで事業の用、貸付けの用又は居住の用に供されていたことがないこと

(※ 相続した家屋を取り壊して土地のみを譲渡する場合には、取り壊した家屋について相続の時から当該取壊しの時まで事業の用、貸付けの用又は居住の用に供されていたことがないこと、かつ、土地について相続の時から当該譲渡の時まで事業の用、貸付けの用又は居住の用に供されていたことがないこと)

 

さらに、今回の特別控除は、自己居住用財産を譲渡した場合の3,000万円特別控除又は自己居住用財産の買換え等に係る特例措置のいずれかとの併用が可能であり、また、相続財産譲渡時の取得費加算特例と選択適用とされているため、事前に十分なプランニングが必要と考えられる。

 

なお、平成28年8月2日に国税庁より、平成28年度税制改正に対応した租税特別措置法通達が公表されており、今回の空き家の譲渡にかかる取り扱いについて示されている。

 

弊社では空き家の譲渡所得にかかる特別控除に関するご相談を承っておりますので、もっと詳しく知りたい方は、↓までお問い合わせください。

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平成27年1月1日から、小規模宅地等の特例の適用限度面積が拡大されます

2014-10-26

Q

小規模宅地等の特例について、平成27年から適用限度面積が拡大されるとききました。具体的にはどのように拡大されるのでしょうか。

 

A

平成27年1月1日以後に生じた相続については、小規模宅地等の特例の適用限度面積がそれぞれ次のように拡大されます。

 

特定居住用宅地等

240㎡→330

 

特定事業用宅地等と特定居住用宅地等を併用する場合

特定事業用宅地等+特定居住用宅地等×5/3≦400㎡(特定居住用宅地等の面積を400㎡ベースに引き直して、合計で400㎡まで)

特定事業用宅地等+特定居住用宅地等≦730㎡(面積を単純合算して730㎡まで)

 

貸付事業用宅地等を含めて併用する場合

特定事業用宅地等+特定居住用宅地等×5/3+貸付事業用宅地等×2≦400㎡(特定居住用宅地等及び貸付事業用宅地等の面積を400㎡ベースに引き直して、合計で400㎡まで)

→特定事業用宅地等×200/400+特定居住用宅地等×200/330+貸付事業用宅地等≦200㎡(特定事業用宅地等及び特定居住用宅地等の面積を200㎡ベースに引き直して、合計で200㎡まで)

 

特定居住用宅地等の適用限度面積が拡大され、特定事業用宅地等と特定居住用宅地等はそれぞれの適用限度面積まで併用可能となりました。貸付事業用宅地等を併用する場合は、限度面積の調整計算がされることは改正前と同じですが、特定居住用宅地等の適用限度面積が拡大された分、拡大されます。

 

小規模宅地等の特例は、特定事業用宅地等と特定居住用宅地等については80%、貸付事業用宅地等については50%と、評価額を大きく引き下げることができます。適用対象となる土地の坪単価と適用限度面積を考慮して、賢く利用しましょう。

 

小規模宅地等の特例についてもっと詳しく知りたい方は、↓までお問い合わせください。
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平成27年1月1日から、相続時精算課税制度の適用範囲が拡大されます

2014-10-13

Q
相続時精算課税制度の利用を検討しておりますが、平成27年から適用範囲が拡大されるとききました。具体的にはどのように拡大されるのでしょうか。

A
平成27年1月1日以後に行われる贈与については、贈与者(贈与する人)と受贈者(贈与される人)の範囲がそれぞれ次のように拡大されます。

□贈与者(贈与する人)
65歳以上の父母→60歳以上の父母又は祖父母

□受贈者(贈与される人)
20歳以上の子→20歳以上の子及び孫

なお、年齢はいずれも贈与した年の1月1日時点で判定します。

現状では原則として親から子への贈与が適用対象でしたが、平成27年からは、祖父母から孫への贈与も適用対象となり、かつ、贈与する人の年齢要件が65歳以上から60歳以上に引き下げられます。

相続時精算課税制度のメリットは、こちらこちらをご覧ください。

相続時精算課税についてもっと詳しく知りたい方は、↓までお問い合わせください。

 

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相続財産に係る土地の取得費加算の特例 所得税の申告後に相続税額が確定する場合は、所得税の更正の請求が必要に

2014-05-21

Q:

先日相続が発生し、私は土地を相続しました。また、その土地は相続からしばらくして売却しております。

今般、所得税の確定申告を行うのですが、土地の取得費加算の特例を利用して、相続税を土地の取得費として加算したいものの、所得税の確定申告期限後に、相続税の申告を行う予定であり、所得税の確定申告時点では、かかる相続税額は確定しておりません。

このような場合、どのようにすれば宜しいでしょうか。

 

 

A:

相続税の確定申告前に所得税の確定申告を行う必要がある場合、相続税額が確定しておらず、土地の取得費の特例が受けられない。この点に配慮し、下記のような通達により手当されていた。

 

 

【租税特別措置法関係通達 39-15  所得税の確定申告後に確定する相続税額】

措置法第39条第1項に規定する資産を譲渡した場合において、当該譲渡の日の属する年分の所得税の確定申告書を提出した後に相続税の申告書の提出期限が到来し、当該提出期限内に当該相続税の申告書の提出により相続税額が確定したため、納税者から同項の規定の適用方について申出があり、かつ、同条第3項に規定する書類の提出があったときは、同条第1項の規定を適用することができる。

 

 

つまり、一定の手続きを踏めば、所轄税務署長の職権等により同規定の適用を受けることができました。

 

しかし、この点について、平成26年度税制改正があり、相続税の確定申告前に同特例にかかる所得税の確定申告を行う必要がある場合の取扱いが法令で規定されました。

 

改正後は、相続税の期限内申告書を提出した日の翌日から2か月以内に更正の請求をすることで、土地等に係る取得費加算の特例を適用することができることとなりました。

そのため、仮に更正の請求期限である2ヵ月を経過してしまうと還付を受けることができなくなるので注意しなければなりません。

 

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平成26年度税制改正により、相続財産に係る譲渡所得の課税の特例が縮減されております

2014-05-17

Q:

先日相続が発生し、私は土地を相続しました。相続の際に相続税を支払ったのですが、その土地に係る相続税相当額を、土地の取得費として加算することができるのでしょうか

 

A:

現行の税制では、相続した土地に係る相続税相当額を取得費に加算することができる特例があるため、相続した土地等に対応する部分の相続税相当額も、土地の取得費に加算されます。

 

しかし、この点について、平成26年度税制改正があり、この特例の適用範囲が縮減されております。

 

現行の税制では、相続した全ての土地が対象となっておりましたが、平成27年1月1日以後に開始する相続では、相続した土地のうち、実際に譲渡した土地に係る相続税相当額のみが、特例の対象として取得費に加算することができ、譲渡していない土地は、その土地に係る相続税相当額は取得費に加算することが出来なくなっています。

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